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「社会的排除」という恐怖

791号2016/04/14更新


■おはようございます。紀藤です。

昨日は2件のアポイント。

また、一昨日は
昨年よりお世話になっているとある保険代理店の会社様に、
新入社員研修「ディスカバリー」の1日コースの実施でした。

今まさに新入社員研修のピークですが、
色々な会社様に訪問していて、
今年は特によく聞く感想(悩み)があります。

それは、昔から言われる話ですが

「甘えている」

という、この一言。

まだ何も出来ないのはわかるものの、

・与えられた課題に対しての執着心が低い
・「頑張っている」とするレベルが低い、
・できなかったときに先輩にすぐ頼る

などなど。

こういったものを総じて、

「甘えている状態」

もう少し判りやすく言えば

”出来なくとも何とかなる。
出来なくとも誰かが何とかしてくれると思っている状態”

と、言うのかもしれません。
(もちろん、色々な諸事情があるので、一概には言えませんが)


■ただ、もし「甘えている」と
明らかに言われる新人(新人以外でも)がいたとしたら、
個人的にぜひ読んでいただきたい、お勧め本があります。

それは、

『社会的排除』(著:岩田正美)

という本。

ノンフィクションの、
社会問題について分析をした本なのですが、
リアルがゆえに、怖ろしい本なのです。

平たく言うと、
ホームレス、ネットカフェ難民、日雇い派遣、

福祉国家であるはずの日本で、
社会的に仕事を得られず、
極貧の生活を強いられている方。

元々は普通に働いていたそんな人々が、
どうしてそうなってしまったのか。

そんなことが
社会福祉学を専門としている大学教授が分析し、
実際のケーススタディと共に、書かれています。

この本によると、

そのような「社会的排除」と呼ばれる状態に
転がり落ちてしまった人はいくつかのパターン分けられる、

といっています。


■当然ながら、元々普通に働いて人が、
転がり落ちるには、相応の理由があります。

その中の一つが、

『社会からの「引きはがし」』

と呼ばれるものである、
と著者は言います

「引きはがし」とは何か。

それは、不幸な出来事が、
同時に、連鎖的に起こった状態とのことです。

想像しづらいので、
具体的に例をあげると、こんなイメージ。


~Aさんの場合から

様々な理由で配偶者と離婚した。
(1つ目のアクシデント)

それがきっかけで生活の基盤が崩れ、
支えるものがなくなる。
そして、心身ともに不安定になる。

そんな中、突然の、
会社からのリストラ。
(2つ目のアクシデント)

離婚で精神的なバランスを欠いている中の追い討ち。

加えて、そこで次の職が
すぐ見つけられるようなキャリアを積んでこなかった。

仕事が見つからない。
だから、とりあえず派遣として働く。

そんな状況に嫌気が差し、
お酒におぼれ、アルコール依存症になる。

そして、仕事を休みがちになり、
また退職を迫られることになる。

どんどん仕事の水準が下がり、
日雇いのその日暮らしの生活が中心になる。

家賃が払えず、ネット難民になる。
(実際、こんなことが現実に起こっているそう)

離婚、病気、倒産。

こういった、予期せぬトラブルが原因で、

『社会からの「引き剥がし」』

が起こり、転落していく。

こういったことは、
誰にでも起こりうることである、
ということです。


■しかし、
ここで見逃せない話があるのです。

病気や離婚などの
不可抗力な要因は仕方ないかもしれない。

しかし

”「社会からの”引きはがし」の理由に
 本人自身の問題や、人間関係が絡んでいることもある”

ということなのです。

例えば、こんな話があります。

星野さん(仮名)という方の事例です。


~~~

彼は飲食店で働いていたが、
年下の上司に使われることが嫌で、仕事を辞めた。

しかし、その後、転職するものの、
同じような状況に遭遇する。
すなわち、また年下の上司に使われることになった。

しかし、彼はそれが耐えられない。
使われるのが嫌で、また仕事を辞める。

そんな理由で転職をする。
すると、また同じ状況になる。

また、辞める。

転職をするたびに、
どんどん条件の悪いところしか、
見つからなくなってくる。

そんなことはわかっているのに、
つい、そうしてしまう。

星野さんは、この状況を観察して、
一ヶ所にとどまれない自分をこのように言う。

「落ちるって言葉がありますけど、
 一度ツマづくと、本当に落ちていく。」
と。


■さて、この『社会的排除』の話から、
何が学べるのでしょうか。

それは、不可抗力な出来事、
例えば、

・突然のリストラ
・突然の病
・突然の配偶者との離婚・死別

など、ふとしたきっかけで、

”谷底を転がり落ちるように、
 生活水準が崩壊していく”

という事実がありうるということ。

それは、冷酷なようですが、
実際に現実として起こっています。

そして、それは明日、
自分自身の身に降りかかるかもしれません。

不幸な出来事は誰にでも起こりうるのでしょう。

そして、そんな不幸が起こった際に、
加えて先述の星野さんのような、

「耐えられない自分」
「スキルがない自分」
「市場価値がない自分」

でいたとしたら、
その”転がり落ちるリスク”は、
より高まるのではないか、

そんな恐怖心を感じるのです。


■悲観的かもしれませんが、

いざその時には

『結局、会社も、社会も、
 自分を救ってはくれない』

という、冷酷で、
悲しき事実があるように感じます。

だからこそ、自分が

・大学に行き、就職できた(もう安心)
・すべて順調にいくであろう(と感じる)
・きっと誰かが助けてくれる(気がする)

と思っていたとしたら、
非常に危ういのではないか、

と思うわけです。

正直、もしそう思っているとしたら
それは”幻想”でしかない、

私はそんな風にも感じてしまいます。


■人により、もちろん状況も違いますし、
厳しい状況の方も、いらっしゃると思います。

だから、全員に全員、
「いや、自己責任だから」
とまでは言わないにせよ、

もし健康で、ある程度頑張れる素地があるのであれば、
そんなリスクを考えて、一歩踏み出す勇気、努力、忍耐は、
必要な能力ではないか、

と思うわけです。

・何かあったときに助けてくれる人間関係を、
 育てられているかどうか
・何かあったときに自分で立ち上がれるスキル、能力を
 磨いているかどうか
・何かないように自分の健康面を意識できているか、

リスクが連鎖的に起きたときに、
”転がり落ちない”ために、
不幸を乗り切れる状態を、前もって作っておくこと。

”いざ”というときのために、
少しでも準備をしておくこと。

『社会的排除』という、
恐るべき出来事は、日々起こっています

もし「甘えている」人がいるならば、
そんな現実を目の当たりにし、想像力を広げてみる、

そんなことが、明日を頑張る
一つの力にもなりうるのでないか、

そんな風に、感じた次第です。
(あくまでも私の主観ですので、あしからず)


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今日も皆様にとって、素晴らしい1日となりますように。
【本日の名言】
世の中で一番さびしいことは、
する仕事のないことです。

福澤諭吉

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